2015年3月30日| |

毎日使用する化粧品の成分って?あなたは、どのぐらい知っていますか?

私たちが毎日使用している化粧品の成分って、難しい専門用語というだけで、良さそうに思ってしまっていませんか?化粧品の成分の本当の意味・効能については、多くの方が実際は知らないことが一杯です。

ヒアルロン酸ときけば、保湿・潤い成分というように、聞き覚えのある成分についても何となくわかったつもりになってしまっています。

今回のコラムでは、誰でも聞いたことのある代表的な化粧品成分の正確な知識をいくつかご紹介します!

化粧品成分の正しい知識

化粧品の容器の成分表示に小さい字でぎっしり記載されているように、化粧品に配合されている成分の種類はとっても多いです。ご興味のある方は現在ご自身がが使用している化粧品類の成分を調べてみると意外な発見があるかもしれません。ご自分の肌の悩みには、効果があると思い込んでいるのに、実際は効果がまったく期待できないような成分もあるかも知れませんよ。

「昔からずーっとこれしか使ってないわぁ」という方は結構多いですよね。20年前の肌にはあっていたかもしれませんが、現在の年齢に適さな化粧品を使用していても、それは仕方のないこと。化粧品に対する安心感は必要ですし、何よりも楽チンです。

でも、今一度もう少し自分の肌を良く見てほしい!そして、化粧品の「成分」について興味を持って頂きたいのです。

ここでご紹介する情報は、お友達へのアドバイスにも使っちゃって下さいね。

トップバッターは、皆さんも良くご存知のヒアルロン酸

【表示名名称】
ヒアルロン酸Na
【紀元・由来】
1934年、ウシの目のガラス体から分離されたムコ多糖類のひとつ。ガラス体のギリシャ名ヒアロス(hyalos)と、この多糖体の基本科学構造にウロン酸(uronicacid)が含まれている為、ヒアルロン酸と名付けられました。
【物性】
ヒアルロン酸は、細胞間や線維間を埋めている細胞や線維を接合する物質で、特に真皮に多量にあります。そのほか、臍帯(へその緒)・歯ぐき・血管などにも結合組織、人の血液・関節液中などにも存在します。
【美容作用】
非常にすぐれた保湿効果があります。ヒアルロン酸の保湿性は、1gで6ℓの水を保持する保水性があります。ヒアルロン酸は皮膚へのなじみが優れており、しっとり感・なめらかさを感じさせる保護膜をつくり保湿効果を持続させる効果があります。
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注意点

化粧品に配合されているヒアルロン酸は、皮膚深部までの吸収または浸透は不可能です!

何故か?といいますと、ヒアルロン酸の分子量が大変大きいためです。

皮膚の深部まで浸透するかのように宣伝されているイメージが大変強いのですが、残念ながらそうではないのです。

ヒアルロン酸を化粧品に配合する本当の目的

ヒアルロン酸を化粧品に配合する目的は、肌表面に保護膜をつくることなのです。肌への浸透ではございません。肌表面にヒアルロン酸による保護膜ができますと、保湿効果が高いので空気中や化粧品の水分を含みます。この水分を角質細胞層に与えるためにヒアルロン酸は大いに役立つのです。

化粧品に限らずサプリ・食料・飲料などでも多用されている、みんな大好き?コラーゲン

【INCI名】
COLLAGEN
【紀元・由来】
コラーゲンは、ウシ又はブタの皮膚、骨髄組織から抽出されてものと、ウシの胎盤から抽出したものがあり化粧品の原料として使用されている主なコラーゲンは、若いウシの皮膚から抽出された水溶性コラーゲンでした。しかし、BSE問題によりウシ由来に替わるコラーゲンが求められ、ブタ・ニワトリ・魚(深海魚・鮭・キハダ・まぐろなど)のコラーゲンが使用されるようになりました。
【物性】
コラーゲンは膠原質(こうげんしつ)とも呼ばれ、皮膚・血管・骨・歯など結合組織の主なタンパク質として存在します。哺乳動物は、全タンパク質の約1/3がコラーゲンだと言われています。
【美容作用】
肌をしっとりさせる効果がありますが、コラーゲン単体では難しいです。皮膚がしっとりしていてしなやかな状態を保持させるには、角質に含まれているNMF(天然保湿因子)、皮膚表面を覆っている皮脂膜の状態に左右されます。可溶性コラーゲンは、NMF成分とよく溶け合い、皮膚表面での保湿維持をし損傷した皮膚表面の回復を促進し、保護効果が期待できます。
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注意点

コラーゲンは皮膚から吸収され、皮膚の若返りにも役立つとされてきましたが、残念ながら効果は期待できません。

同様にコラーゲンたっぷりな食材を摂取しても、肌はプルプルにはなりません!腸内で消化されたら、アミノ酸に分解されるので、コラーゲンではなくなります。でも、コラーゲン鍋を食べたら翌日肌が潤っている気がするのは・・・気のせいです。コラーゲンだけでなくグルコサミンなども含め、食べても飲んでも、腸の中でバラバラになり、直接目的の部位には到達しません。ただ、アミノ酸は、体の中でコラーゲンをつくるための材料にはなります。しかし、コラーゲンは肌だけでなく体のあらゆるところで必要です。ですので、肌への直接の効能は、無いに等しいのです。難しい言葉で、いかにも肌に届くように思わせるようにうたっているサプリなどがありますので、騙されないで下さいね!

コラーゲンを化粧品に配合する本当の目的

塗っても食べても効果が期待できないコラーゲンは、化粧品に配合する意味がないと思われるかもしれませんが、配合するメリットはございます。

コラーゲンを化粧品に配合すると、保湿効果と荒れた皮膚表面を整えなめらかにする、化粧品の使用感をよくする、効果があります。

ただし、コラーゲンが持っている機能を発揮するためには、化粧品中の水分と均一に馴染んでいることが必要不可欠!コラーゲン分子が結合して沈殿した状態になっていると保湿効果を始めコラーゲンの効果が悪くなります。

一番有名なビタミン!美白作用の代名詞ビタミンC

【表示名】
アスコルビン酸
【INCI名】
ASCORBIC ACID
【紀元・由来】
1920年にオレンジ果汁から還元性のある抗壊血病因子を抽出に成功。ビタミンCという呼び名が提唱される。1933年にハースによってビタミンCの構造式が決定されてアスコルビン酸と命名。グァバ・ゆず・レモン・オレンジ・イチゴ・キウイ・などの果物やパセリ・ブロッコリー・芽キャベツ・大根・ピーマンなどの野菜に多く含まれています。
【美容作用】
ビタミンCは抗酸化力が強いため活性酸素から細胞を守ることから、肌のアンチエイジング効果が期待できます。他にも抗炎症作用によるニキビの抑制、皮脂分泌抑制効果による毛穴を目立たせにくくする、体内におけるコラーゲンの生成を助けるといった効果も。そして、もっとも有名なのはメラニン色素抑制による美白効果でしょう。
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ビタミンC化粧品の目的

一般的な私たちが理解しているメラニンは、チロシンという一種のアミノ酸がいくつかの中間物質を経て作られています。

ビタミンCは、メラニンを無色の還元型メラニンに変え、日焼け・シミ・ソバカスを目立たないようにします。

美白化粧品による美白効果とは?

現在商品化されている美白化粧品は3つの機能で美白が行われています。

チロシナーゼ抑制作用

メラニン生成を促進するチロシナーゼの作用を抑制します。

還元美白作用

メラニンは、酸化という科学反応で褐色〜黒褐色、黄褐色〜赤褐色に変化します。これを還元といいます。還元と逆の科学反応で無色にしていく作用。

メラニン排出作用

表皮のターンオーバをスムーズにし、メラニン顆粒の皮膚外への排出を促進します。

メラニンのメカニズムの研究は現在進行形で進んでいます!

まだまだメラニンが肌の中でどのように使われているかについては分かっていないことも多く、研究は進められています。

美白剤にも遺伝子にアプローチするメラニンコントロールなど、新しいものが開発されていて今後のさらなる研究が期待されます。

乾燥する季節には欠かせない成分セラミド

【INCI名】
Ceramide 3、Ceramide 6IIといったCeramide+数字&ローマ数字による表記
【紀元・由来】
1884年にJ.L.W.Thudichumにより、人の脳から発見されました。1985年頃までは生体膜としてしか認識されていなかったのですが、近年研究が活発になり多くのことがわかってきています。加齢によって減少すること、肌の乾燥や肌のアレルギーとの関連性についても注目を集めています。
【物性】
セラミドは細胞膜の構成成分として生物界に広く存在しています。角質細胞間脂質の中で大きな割合を占めており、スフィンゴ脂質と呼ばれています。
【美容作用】
セラミドは皮膚の保湿・アレルゲンの侵入防止に必要不可欠です。セラミドの量は季節によっても変化し、年齢を重ねるごとに減少していくことがわかっています。セラミドを補給することが肌の健康維持・バリア機能の低下を防ぐことにつながり、結果として美肌効果が期待できます。
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セラミドの作用

セラミドは、肌の角質層においてのバリア機能・水分保持において重要な役割を果たしています。バリア機能や水分保持が乱れると「皮膚の乾燥」・「かゆみ」などからアトピー性皮膚炎・主婦性湿疹(洗剤などによって皮膚の油分が奪われ為に起こる湿疹)・加齢に伴いセラミド減少し現れる「老人性乾皮症」。50歳を過ぎた頃からセラミドは減少していき、皮膚のターンオーバも円滑に行われなくなり、肌トラブルの原因になっていきます。

近頃は、セラミド類を外部から塗布するだけではなく、皮膚の中でセラミドを作る機能を高める働きを促す研究が進んでいます。理想的な水分保持をするためにも、皮膚表面を覆っている皮脂膜・角質の水分保持に大切なNMF、角質間脂質など3つの条件が整ってる事が重要です。

中央書院「化粧品有効成分ハンドブック(2007)」著者:霜川忠正より引用

この説明にあるように皮膚の角質細胞層における水分保持には、以下の3つが肝となります。

  • ① 皮脂膜
  • ② 角質細胞に含まれる天然保湿因子(NMF)
  • ③ 角質細胞間のラメラ構造
セラミドと皮膚

とても大切な要素ですので、それぞれ解説いたします。

① 皮脂膜とは、皮脂と汗とが皮膚表面で混ざり合ってできた保護膜です。皮脂膜は、皮脂表面から水分が蒸発して空気中に逃げていくのを防ぐだけではなく、保護をし肌のツヤを与える役割も担っています。また、皮脂に含まれている脂肪酸や汗に含まれている乳酸によって、pHが弱酸性になり微生物の繁殖を防止しています。

② NMF(ナチュラル・モイスチャアライジング・ファクター)は角質細胞の中にあります。NMFが不足すると適量の水分を保つことが出来なくなり、硬く砕けやすい角質細胞となってしまいます。結果、肌の水分保持が円滑に出来なくなってしまいます。

③ 角質層は、角質細胞と細胞間脂質により構成されています。細胞間脂質は角質細胞と角質細胞の隙間を埋める役割をはたしています。この細胞間脂質は、面白いことに水-脂質-水-脂質-水…と規則正しく交互にサンドイッチのような層(ひとつひとつの層は極めて薄い層です)を成しているのです。これをラメラストラクチャー構造といい、略してラメラ構造といいます。細胞間脂質は、体内からの水分の蒸発を防ぐために必要で、セラミドは細胞間脂質の成分の中で大きな割合をしめています。今一番水分保持のメカニズムとして重要視されている部分です。

肌にとって大切な事は、実はとてもシンプル

若々しく、なめらかな肌でいる為に必要なことは、何よりも水分と油分のバランスが良い状態を保つということ。このバランスが乱れると肌・皮膚のトラブルの原因になります。例えば、体調を壊したり・睡眠不足・偏った食生活・ストレス・生活環境などさまざまな要因で体調が崩れると共に肌のバランスも同じく崩れてしまう事があります。

しかしながら加齢による肌トラブルを回避する為には、なんらかの努力が必要です。美容医療の力を借りるのも一つですし、ご自分でセルフケアをする方法もあります。人それぞれの事情もありますから、自分が出来る又は合った方法を選ぶしかありません。

誰でも簡単にできる肌対策の第1歩

それは意識する、ということです。普段注意を払っていなかったことを気にするだけで全然違います。当たり前と思っていたことを見直しましょう。実践はできなくても、意識するだけで、行動や選択、決断に変化はでます。

今回化粧品成分の中でも誰もが知っている成分を少し詳しくお伝えしましたが、これが、意識の変化のきっかけになってくれたら嬉しいです。

日々私たちが使用している化粧品は安全である事が前提とされています。改めて肌に大切なのは、高い化粧品を使用するより体と心のバランスを保ち健康的に自分らしく歳をとる事が重要なのかなぁと考えています。

そうは言っても私は美容医療の力も少し借り、セルフケアも出来る範囲でやっていきたいと思っていますよ。コワイ顔にならないよう「やり過ぎ」に注意が必要で、あくまでも私は「自然体」がモットーです。