エイジングケアに有用な成分として、近年注目を集めているのが「EGF」「FGF」。エイジングの気になる肌をいたわりコンディションを整えるという先進的な効果が得られることから、再生医療を手掛ける美容皮膚科業界では研究が進められ、臨床導入も進んでいます。また、以前は「1g＝8,000万円」という高額な成分でしたが、大量生産が可能になったことで近年化粧品などに積極的に使われるようになっています。
EGFとは「表皮細胞増殖因子」のことで、もともと人間が持っているタンパク質の一種です。アメリカの生物学者スタンレー・コーエン博士により発見され、ノーベル生理学・医学賞を受賞するに至った成分でもあります。
EGFの正式名称は「human epidermal growth factor」。名前の中にも入っているgrowth factor(グロースファクター)という言葉は、「growth＝成長」「factor＝因子」という意味があります。細胞の成長・再生に関わる物質で、細胞の若返りを図るのに非常に効果を発揮します。
【EGFのメカニズム】
肌の表面にある表皮細胞には、EGFをキャッチするEGF受容体があり、この受容体がEGFを受け取ると肌細胞の成長や増殖を促す命令が出されます。
すると美肌づくりに有効なコラーゲンやエラスチン、潤いをもたらすヒアルロン酸の生成が強力に促進され、弾力と透明感のある潤ったお肌になります。年齢とともに不足しがちなEGFを補給することで、若々しいお肌を取り戻すことができるのです。
美容医療の先進国アメリカで行われた臨床実験では、0.1μg/g(0.00001%)配合したEGFローションを60日間連続使用したところ、表皮細胞の成長が平均で284%促進されたというデータが出ています。
FGFとは、「繊維芽細胞」のことで、EGF同様、もともと人間が持っているタンパク質の一種です。表皮にはたらきかけるEGFに対して、FGFは真皮にある線維芽細胞というコラーゲン生成を働きかける細胞にアプローチし、細胞の成長と増殖を促します。EGFと同時に補給することで、EGFの効果をさらに高めることができるのです。
